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離婚調停の前に準備すべきことと進め方のポイントを解説
夫婦間での話し合いだけでは離婚の条件がまとまらない場合、次のステップとして「離婚調停」が検討されます。
調停は裁判所で行う正式な手続きですが、あくまで当事者同士の合意を目指す話し合いの場です。
慣れない調停に臨むにあたっては、事前の準備や進め方のポイントを理解する必要があります。
今回は、離婚調停の前に準備すべきことと進め方のポイントを解説します。
離婚調停とは
離婚調停とは、家庭裁判所で行われる「第三者(調停委員)を交えた話し合い」の手続きです。
夫婦だけでは話し合いが進まない場合に、裁判に進む前のステップとして利用されます。
離婚調停は、夫婦どちらか一方の申立てにより開始されます。
調停中、基本的に当事者同士は顔を合わせず、個別に話を聞く「別席調停」が一般的です。
離婚調停の前に準備すべきこと
離婚調停の前に準備すべきなのは、以下の3つです。
- 調停申立書と必要書類の準備
- 調停で話し合いたい項目の整理
- 証拠・資料
それぞれ確認していきましょう。
調停申立書と必要書類
まずは家庭裁判所に提出する「調停申立書」を作成します。
あわせて、以下のような書類の提出が求められます。
- 夫婦の戸籍謄本(3カ月以内のもの)
- 住民票(必要に応じて)
- 収入印紙1200円分
- 連絡用の郵便切手(金額や内訳は裁判所による)
調停の内容に応じて、養育費や財産分与、年金分割の算定資料(給与明細、通帳、不動産登記事項証明書、年金分割のための情報提供通知書等)が必要です。
調停で話し合いたい項目の整理
離婚調停では、単に「離婚するかどうか」だけでなく、以下のような具体的な項目について話し合われます。
- 親権や面会交流の取り決め
- 養育費の金額と支払い方法
- 財産分与や住宅の扱い
- 慰謝料の有無とその金額
- 年金分割
優先順位や希望条件を事前に整理すれば、話し合いがスムーズに進みやすくなります。
証拠・資料
たとえばDV(家庭内暴力)や不倫など、離婚原因が争点になる場合は、以下のような客観的な証拠を用意してください。
- LINEやメールのやりとり
- 医師の診断書や写真
- 興信所の報告書
基本的に、単に意見を言うだけでは調停委員の理解を得るのは難しいと考えてください。
証拠に基づく具体的な主張が、説得力を高めます。
離婚調停の進め方と成功のポイント
申立て後、電話で期日調整を行い、数週間以内に裁判所から「期日通知書」が届きます。
申立てから1〜2か月後に指定される初回調停を行い、合意すれば調停成立です。
どうしても合意が得られず、調停不成立になった場合は、裁判などへ移行します。
調停委員は当事者の味方ではなく、あくまで中立的な立場で話し合いをまとめる役割を担っている存在です。
感情的に主張するのではなく、事実に基づいた説明を冷静に行ってください。
まとめ
離婚調停は、裁判に進まずに話し合いで離婚やその条件を決める重要な場面です。
冷静に準備し、自分の希望や条件を明確に伝えると、納得のいく結果につながりやすくなります。
「何から始めるべきかわからない」「自分だけで進めるのが不安」という方は、弁護士など専門家のサポートを受けるのがおすすめです。